私たちの大腸には数百種類、数百兆個の細菌が住んでいます。顕微鏡で見ると細菌群が花畑のように見えるので腸内フローラ(腸内細菌叢)と呼ばれます。叢(そう)は草むらという意味です。そのうち善玉菌は人の体では作れないビタミンを合成したり、外からの病原菌の感染を防いだり、腸の免疫力を高めたりと人の健康や病気の予防に大きく関係しています。
一方、腸内フローラの悪玉菌は発がん物質を作ったり、炎症性大腸炎やメタボリックシンドローム、偽膜性大腸炎、慢性疲労症候群、慢性便秘と関与しています。近年、健康な人の大便をこれらの人の大腸に注入する糞便移植と言う治療が始められ、これらの疾患が改善したという報告があります。